JR西日本が保管していた初代新幹線「0系」の先頭車両が28日未明、大阪府吹田市の同社社員研修センターから搬出された。車両はトレーラーに載せられて神戸港まで移動し、寄贈先の鉄道博物館(さいたま市)に運ばれる。0系の中でも2番目に製造された歴史的に貴重な車両。車庫の片隅でほこりをかぶってきた「2番機」が展示物として復活する。
1964年の東海道新幹線開業直前に完成し、77年ごろまで活躍した。現在、山陽新幹線を走る0系とは異なり、客室の窓が横長なのが特徴。台車や制御機器もそのままの形で残っており、当時の先端技術を知る上でも貴重な資料とされる。JR東日本が「(JR東が設立した)鉄道博物館で展示したい」とJR西に申し出て、無償譲渡が決まった。
トレーラーに後ろ向きで積まれた0系は、車の少ない未明の道路をゆっくりと神戸港に向かった。通行人や対向車のドライバーは、特徴あるだんご鼻が急に目の前に現れ、驚いたような表情を見せていた。0系は現在、3編成が山陽新幹線で活躍しているが、11月末での引退が決まっている。JR西社員は「0系に込められた鉄道技術者の夢や誇りを、博物館で次の世代にも伝えてほしい」と話した。
>>本当に嬉しい限りです。
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